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それではみなさんさようなら。 - 自殺と心 -

2008.07/06

最近ネットで「自殺」といったキーワードがニュースの見出しで良く見かける。 なんとも暗いイメージを想像してしまいます。
さて今日は映画「自殺サークル」という作品について紹介というか考えたことを書いてみました。

正直、オススメはしません。 ただ、映画を見て若い人たちがあっけなくこの世と「さよなら」するあっけないシーンを眺めながら感じたことなどをまとめてみました。 命を絶つことで連鎖が生まれる。 けれどそれは本当の原因ではないですよね。


映画「自殺サークル 」は、 2001年に公開されたホラー系の映画。
タイトルからも感じたんですが、パーケージング的なものから「着信アリ」の秋元康さんかな? とか思ったんですが、監督は「エクステ」の園子温。 ストーリーは謎が次々と飛び出す「呪怨」に近い感じでしょうか。 R-15指定のホラーなんだから仕方ないですがけっこうなスプラッター映画でしたw

さてあらすじなんですが、ある日、夜の新宿駅プラットホームで女子高生54人が手をつないでホームから飛び降りる。 真っ赤に染まったプラットホームの惨劇以降、若者たちが遺書もなく突然命を絶ってゆく。

警察は自殺者に関係したインターネットのサイトがあることを知り、増え続ける自殺を止めるべく事件の裏に潜む存在を追う。 しかし見えない相手に翻弄されてゆき連鎖自殺は止まらない。

ネット上に存在する自殺クラブなるサイトを配信しするジェネシス、アイドルグループのポスターに隠された暗号、そこからたどり着いた先にいた者たちは何を企むのか、、、。


もう、なんつーかオープニング早々インパクト勝負なスプラッタシーンから始まる。
じつはこの映画、この過剰過ぎなんじゃないかってくらいの過激な演出とそれに付随する謎、そして突然命を絶ってしまう衝撃さが鑑賞ウリなんです。 たぶん笑

「疑問からくる探究心」+「身の毛もよだつスプラッタな演出」がダメな人には苦痛でしかないでしょうね、けっこうグロいです。

ふつう「自殺」+「謎」とくれば「なぜ命を絶たなければいけなかったのか」という好奇心といったら不謹慎かな、そういった生きようとする本能とそれに逆らう心理の裏側というのは当然のことながら理解しがたい真相なわけですが、本作はそれを操作する裏側へと物語は進む。


ホラー、ミステリーといったジャンルは謎は謎のままだから探究心をくすぐり続け、面白いのだと思います。 なぜならタネ明かしをしてしまえば謎が謎ではなくなる訳ですから怖くもなんともない話になってしまう。

なかには解決することで完成する話もありますが、これは作風がちょっと違うものだと解釈しています。 結果としてはこの映画「自殺サークル」は謎を多く残して終わるのですが、観賞後なにがなんだか分からないままエンドロールを迎える。 マジで。

多くの謎、疑問点はいくつか存在する。
しかし物語が終了することでポカーンとするもののメッセージは確かにあった。


今、若くして命を絶つ人が増えています。
一時期は定年後の余生やリストラ、多額の借金などの苦悩から中年の自殺が多く見られた人々と違い、若者がいじめや失恋などに心痛めこの世からあっけなく去ってゆく。

作中のあっけないほどの絶命はそれだけにリアリティでひどく衝撃的だ。
ついさっきまで「自殺なんて怖え〜」と笑っていた彼らが次の瞬間には飛び降りている。 そこに彼らの痛みは描かれていないけれど、作中語られない一押しをするトリガーがどこかにあったのか。


今、はかなくも命を絶ってしまう人はその瞬間になにを思うのでしょう。
死を恐れることなく、自らの手でたぐり寄せるわけですから、なんらかの圧迫が生じたのは確かなはず。

俺の身近でもそうやってこの世を去った人々がいます。
理由は分からなくはない。 しかし、残された者は得てして分かりかねる問題だ。

1986年4月8日、アイドルだった岡田有希子が所属事務所が入居しているビルの屋上から飛び降り、全身を強く打って即死した。

突然の出来事に人々は衝撃を受けた。
この後、若者の自殺が相次ぎ、衆議院文教委員会で取り上げられる社会問題にもなった。

公式には不倫関係にあったとされる年上の俳優Mとの失恋が原因とされているが、情報があやふやで多数の説や議論が今もされている。 しかし、そこから真実や真相が明らかになることはたぶんないだろう。

当時、学生だった俺は世間のことにまるで無関心ではあったが情報の採取はかかさず、TVを観ない割によく色んなことを知っていた。 もちろん彼女のことも。

この事件はかなり大騒ぎになったので現場写真なんかも拝みましたが、なにか非常に切なかった。 寮にいた兄弟から連絡があり「俺の部屋のポスター、帰るまで剥いでおいて」と言われたのは今も覚えている。

俺は面倒だったので「自分でやれよ」というと「夜中に目が光ったりしたら怖いじゃん」て、あんたいくつよw とか、まあ怖い者がまったくない俺としてはこの後兄弟を想いポスターをはずしたわけですが、彼はレコードを購入時にもらったポスターだったらしく、純ファンであったわけではなかったが、とても残念がっていた。

当時、多くの人が命を絶った。 世間では後追い自殺とTVのワイドショーは賑わせたが、そのすべてが後追いというわけではなく、同時期にあった突発的な自殺であったことを数年後知った。

「自殺サークル」では連絡を取り合うでもなしに学校も学年も住む所も違う女子高生が示し合わせたように駅のプラットホームから手をつなぎ、一斉に飛び降りた。

ふつうに考えれば映画だし、それはありえない。
だけど現実ではまるで伝染するかのように自殺は後を追うように多発する。 近頃起きた秋葉原通り魔事件に端を発するかのように電子掲示板での殺人教唆が多数起きている現象にしても言葉としては不適切かもしれないが「伝染」したかのように多発しているように感じる。

分かりやすくいうならば、これらは「心」の問題なんだろうけど、それはあまりにもアバウトだし的が大きすぎてぼやけてて説明になっていない。 ただ、自殺について思うのは自らの手でたぐり寄せ、なんらかの圧迫からの解放を願ったのではないかということ。 それはなんともデリケートでナイーブな心の虚をついた衝動で、切なくやり場のない気持ちこの上ない。

日本の自殺者は年間3万人もいるそうで、世界順位としては101国中9位だそうです。
この数は年々増加している。 統計として見れば若者の自殺はそのなかのわずかなものでしかないが、将来のあるこれからの人たちなのだという意味では非常に深刻だ。


また、社会に出ても耐えれず壊れてゆく人も多い。
よく忍耐力が足りないだとか深く考えすぎるなど批判的な意見もあるなかでそれらは人間の心の弱い部分に圧迫した障害なのだ。 決して簡単な話ではない。

経済的な理由で命を絶つ多くの中年層は都市に多いそうですが、世界でみると当てはまらない国も相当数ある。 これらは対抗する芽生えや拠り所が希薄な世代には酷な場合もある。
精神的にシンドイ場面でもわりとへっちゃらでいられる自分などはたぶん衝撃や圧迫に耐えるだけの自身で体験した経験がそうさせているように感じることがある。

今の若い人と話していると自分はどうしたいのか、相手がどう思うのか、なぜそうなるのかと言った部分が非常にかけていると感じる。 個人的にこの希薄さがすべての面で障害となっていることの現れなんじゃないかと思わずにはいれない。

筋肉がなければ走れない、走れなければ心肺機能も発達せずスタミナも身に付かないのと似ている。 作中「あなたはあなたの関係者ですか」という言葉遊びにも似た台詞がでてきます。

自分のことなのに客観と主観の"みの"舵取りでアイデンティティはそこにない。
アメリカの心理学者精神分析家エリクソンが提唱した「私を私たらしめ、一貫性、同一性を与えているものは何か」ということへの意識、自己確信への問いかけなのか。


正直、この作品はあまりお進めできる映画とは言えない。
ヘタをするとトラウマになってしまうかもしれませんし、上記にある通り衝撃さが鑑賞のウリなんです。 ホラーというよりはスプラッタムービーであると思う。

また、この作品には「紀子の食卓」という前日談となる作品が存在します。
こちらはわりとしっかり描写がなされていてスプラッタシーンは少ないのですが、この作品を面白いと感じた人にはわりと向いてるかもしれません。



【関 連】

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No.111

あなたはあなたの関係者ですか…

「あなたはあなたの関係者ですか」といういう問い直面している若者が日本がエコノミックアニマルから脱却するチャンスを探し当ててくれるものと信じております。
投稿者: | 投稿日:04月05日(18:52) | 編集


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